監督:湯浅政明

仕事や生活の中でも、「波にのる」という感覚はよくあります。「調子良く」という意味もありますが、波はなかなかこちらの思い通りの形はしていません。選択してその波にのってみる。合わせる。波がこちらの行きたい所へ連れてってくれるかは、乗り終わった後でないと分かりません。あれこれ考えても乗ってみなければ分からない。極力波を選択し、したたかに生きなければという世の中で、純粋な主人公を波にのせてあげたいと思いました。

【PROFILE】

1965年3月16日生まれ、福岡県出身
アニメーション監督、サイエンスSARU代表取締役
九州産業大学芸術学部美術学科を卒業後、亜細亜堂へ参加し、芝山努に師事。のちにフリーランスとして活動。メインスタッフとしてテレビアニメ『ちびまる子ちゃん』、『クレヨンしんちゃん』シリーズなどに携わる。
映画初監督作品『マインド・ゲーム』(04年)ではモントリオール・ファンタジア国際映画祭最優秀作品賞ほか数々の賞を総なめに。テレビシリーズ監督として手掛けた「四畳半神話大系」(10年)、「ピンポン THE ANIMATION」(14年)などでも多くの賞を受賞。17年には『夜は短し歩けよ乙女』、『夜明け告げるルーのうた』長編監督作2作品が劇場公開。『夜は短し歩けよ乙女』は日本アカデミー賞最優秀アニメーション賞の他、オタワ国際アニメーション映画祭では、日本人監督初の長編部門グランプリを受賞。また自身初のオリジナル長編作品『夜明け告げるルーのうた』は、アヌシー国際アニメーション映画祭でグランプリにあたるクリスタル賞を受賞。日本映画としては高畑勲監督作『平成狸合戦ぽんぽこ』以来、実に22年ぶりの快挙を果たす。その快進撃は止まらず、18年1月よりNetflixで「DEVILMAN crybaby」の全世界一斉配信がスタートするとたちまち日本のみならず世界中を熱狂させ話題となった。今、その才能に最も注目が集まるアニメーション監督。